ライザのアトリエ炎上に思う。AI革命は小さな組織のチャンスである。
イケハヤです。
今日もコツコツやってますか?
今日は大阪に来ています。移動中はさすがにゲーム開発が進まないですね。家に帰ったら、またゴリゴリにFableを回していきます。
=====
で、今日はゲームとAIの話です。
有名な「ライザのアトリエ」シリーズの新作に、AIでキャラクターと雑談できる機能が搭載されるそうなんですよ。
バックエンドでLLMが動いていて、ライザと会話ができてしまう。非常に画期的ですよね。
「へ〜すごいな〜」と思って反応を見ていたら、なんと炎上しているんです。
「AIとなんて話したくない」「ショックだ」「シナリオライターの仕事を何だと思っているんだ」
といった感じの、まぁいわゆる「反AI」の人たちですね。
実際のところ、多くのユーザーは別に怒っていないと思いますし、この炎上で機能が撤回されることもないでしょう。
でも、こういう事例を見た大手パブリッシャーは「AIを入れると反発を受けるんだな」と教訓として学んでいくわけです。
結果どうなるか。
「リスクもあるし、セキュリティ的にも不安だし、今回はAI機能はやめておきましょうか」
となってしまいがちなんですよねぇ。
=====
なんでこんな話をしているかというと、ぼくがいま作っているゲーム「月蝕綺譚(げっしょくきたん)」では、まさに、AIキャラクターとの対話機能をめちゃくちゃに入れているからです。
追い風もありました。
もともとClaude Sonnet 4.5で作るつもりだったんですが、これがけっこう高いんですよね。
ユーザーが増えたら毎月何十万円もかかる計算で、メインに据えるのは難しいなという感じでした。
ところが先週、OpenAIが「GPT-5.6 Luna」を激安で出してくれました。
これによって、AIチャットのコストが1/5以下になったんですよね。
さらにDeepSeekのV4 Flashまで出てきて、それを使うとさらに下がります。
このくらい安くなってくると、仮に10万人のユーザーがいても、LLMコストは高が知れています。
だから断言しますが、ゲームへのAI対話機能の導入はこれからめちゃくちゃ増えるでしょうね。
しかもこれ、ちゃんとチューニングすると、体験の品質はかなりいいんですよ……。
いまずっと検証していますが、「推しキャラと会話できる」のは、なかなかに震えますw
今回はキャラクターにメモリ機能を持たせているので、会話を圧縮しながらずっと覚えています。
仕組み的には、1年前の会話も、だいたい覚えているんじゃないかな……。
本当にキャラクターと話せてしまうので、ちょっと怖いくらいです。
相手は所詮AIなんですが、体験のデザイン次第で「宿ってしまう何か」があるんですよね。
=====
でも、同じことを大手のゲーム会社がやるのは難しいんですよね。
プロンプトインジェクション対策も必要だし、変なワードを入れてくる輩も潰さないといけません。
グローバル展開するとレギュレーションも複雑です。
100万ダウンロード級のタイトルだとコストも跳ね上がります。
そして冒頭のような炎上リスクもあります。
うちは違います。
最初は日本語のみ、規模もせいぜい10万ダウンロードを目指すくらいのタイトルです。
トラブルが起きたら「すみません、調整します」で済むし、仮に反AIの人たちに目をつけられても「うちはそういう方針なので、嫌ならやらなければいいだけですよ」と言えてしまうんですよ。
しかもクリプトニンジャのコミュニティは、テッキーな人たちがブランドを愛してくれていて、AIへの反発を持つ人がおそらく誰一人いません。
この環境でAI機能を全力開発できているのは、ちょっと感動しています。
=====
これ、構造の話なんですよね。
いま起きているのは「小規模なプレイヤーのほうが強い」という逆転です。
ぼくらは最先端のAIをゴリゴリ使えるし、新しいLLMが出たら即日乗り換えて、実戦投入できます。
大手はそうはいきません。
多くの社員がいる会社では、使えるAIがCopilotだけということも珍しくないですよね。
申し訳ないけど、Fableと比べたら、話にならないですよ。
大手企業は、プロダクトの部分で新しいことができないんです。
ゆえに、大きな流れとして、大企業は相対的に弱くなっていきます。
今まで何億円もかけないとできなかったことが数十万円でできて、新しい体験も作れて、しかも大手はそれをやれない。
小規模プレイヤーにとって、ここのチャンスはえぐいです。
=====
ということで、月蝕綺譚はいま事前登録を募集中です。
https://vibe.co.jp/luna-occulta
iOS限定ですが、次回のビルドあたりから、先行登録してくださっている方の一部にLLM対話機能をご案内しようと思っています。
バグがある前提ですが、まったく新しいゲーム体験をぜひ味わってみてください。
ちなみに昨日告知した「Claude Codeの教科書」は、Brainランキング1位で800部を超えました。
https://brain-market.com/u/ikehaya/a/b2kzM5UjMgoTZsNWa0JXY
こちらは完全初心者向けなので、すでにClaude Codeを使っている人は買わないでくださいね。
コツコツ積み上げましょう。
=====
サブスタで毎日コラムを配信してます。こちらもどうぞ!
【イケハヤのサブスタはこちら】
https://ihayato.substack.com/




いつも有意義な話をありがとうございます。
今回の話はまさに『イノベーションのジレンマ』そのものですね。
現在進行形の生々しい実例として読ませていただきました。
コツコツ頑張ります。